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AI音声入力3製品を同じ原稿で測ったら、「さいとう」の漢字が3通りに割れた|Typeless・Notta・Aqua Voice 実測比較

aAI音声入力3製品の実測比較。「さいとう」の漢字が3通りに割れた

※本記事はアフィリエイト広告を利用しています。


目次

結論

  • 社外メールを音声で書くなら Typeless
  • 速度が最優先なら Aqua Voice
  • 会議の記録なら Notta(そもそも別カテゴリの製品です)

ただし、この記事で本当にお伝えしたいのは製品の順位ではありません。測っている最中に、私は自分の結論を3回ひっくり返しました。その過程のほうが、はるかに役に立つと思います。


その前に:この3つは同じ製品ではありません

比較記事を読む前に、これだけは整理しておく必要があります。

型製品何をするか
音声入力(ディクテーション)Typeless / Aqua Voice入力欄に直接文章を差し込む
文字起こし・議事録Notta話者ラベルと時刻つきの記録を作る

Notta の出力には「話者 1」「00:02」といったラベルが付きます。メールの返信欄にそのまま貼ることはできません。

Nottaの文字起こし画面。話者ラベルとタイムスタンプが付いている
Nottaの出力。「話者 1」「00:02」が付くため、メールにそのまま貼れない

この画面を1枚見れば、文章で説明するより早いと思います。Notta は会議を記録する製品であり、メールを書く製品ではありません。

「音声入力ツールのおすすめ10選」のような記事は、この2つを平気で混ぜます。混ぜたまま選ぶと、確実に用途を外します。


測定のやり方

条件

  • マイクは3製品とも同じ(UGREEN USB MIC-CM769)
  • 同じ部屋・同じ声量
  • 出力は一切修正せずに回収
  • 各製品2回ずつ実行

読み上げた原稿

わざと崩れやすいものを埋め込んだ、実在しそうな業務メールです。

お世話になっております。三宅です。

先日ご相談いただいた勤怠管理システムの件ですが、社内で検討した結果、来月から試験導入する方向で進めることになりました。対象は本社の12名と、南森町店の8名です。

つきましては、齋藤様のお手元にある見積書について、処遇改善加算の扱いを一点だけ確認させてください。月額の基本料金に含まれるという理解で相違ないでしょうか。

お手数をおかけしますが、9月5日までにご回答いただけますと幸いです。

仕込んだ罠

罠何を試すか
齋藤(旧字体)人名の漢字
処遇改善加算一般的な辞書にない専門用語
南森町店難読地名(みなみもりまち)+「店」の脱字検出
12名 / 8名 / 9月5日数字と日付の書式
「相違ないでしょうか」硬い敬語をAIが崩さないか
「お手数をおかけしますが」助詞「を」の脱落検出

この原稿はそのまま使っていただいて構いません。同じ条件で試せば、ご自身の環境で再現できます。

なお、原稿に出てくる人名・店舗名・数字はすべて測定用に作った架空のものです。「南森町」は読み仮名が割れやすい地名として選びました。


結果1|「さいとう」が、6回で3通りに割れた

まずこれです。

実行出力
Notta 1回目❌ 斉藤
Notta 2回目❌ 斎藤
Typeless 1回目✅ 齋藤
Typeless 2回目❌ 斉藤
Aqua Voice 1回目❌ 斎藤
Aqua Voice 2回目❌ 斎藤

6回中、正解は1回だけでした。

しかも誤りが「斉」と「斎」の2種類に分かれています。製品を変えても解決しません。

そして重要なのは、Typeless が1回目に正解して2回目に間違えたことです。私は最初「Typeless は3ヶ月使っていて人名を学習しているから強い」と考えました。2回目で崩れたので、その解釈は成立しません。

人名は諦めて目視確認してください。これが唯一の対処法です。辞書登録できる製品なら登録する。それ以外は、送信前に名前だけは必ず目で見る。


結果2|いちばん危険だったのは、壊れた日本語ではなかった

Aqua Voice の1回目に、こんな出力が出ました。

月額の基本料金に含まれるという理解で、そういないでしょうか。

「相違ない」が「そういない」になっています。日本語として成立していません。

私は最初これを「Aqua Voice 固有の致命的な欠陥」だと書きました。そして2回目で再現しませんでした。(2回目は正しく「相違ない」でした)

もっと危険な誤りは、別の場所にありました。

Notta の2回目です。

職務改善加算の扱いを一点だけ確認させてください。

正しくは 処遇改善加算 です。福祉事業で使う制度名で、「職務改善加算」という制度は存在しません。

しかし——一字違いで、意味が通ってしまいます。

気づけるか
「そういないでしょうか」誰でも気づく
「職務改善加算」業界の人以外、気づけない

音声入力の本当のリスクは、変な日本語が出ることではありません。

もっともらしい別の情報に化けることです。

前者は事故になりません。読めば分かるので直します。後者はそのまま送信されます。


結果3|その誤りが、そのまま「決定事項」になった

Notta には自動要約機能があります。46秒〜78秒しゃべっただけで、議事録の体裁に整えてくれます。実際、これはよくできています。

問題は、誤変換もそのまま要約に運ばれることでした。

Nottaの自動要約。アクション項目に誤変換がそのまま入っている
誤変換された「職務改善加算」が、確認事項とアクション項目にそのまま入っている

生成された要約がこれです。

確認事項:斎藤様の手元にある見積書について、職務改善加算が月額の基本料金に含まれるか確認が必要。

アクション項目:☑ 斎藤様:職務改善加算が月額の基本料金に含まれるか、9月5日までに回答する。

誤変換が、チェックボックス付きのタスクに昇格しました。

要約AIは誤りを訂正しません。誤りに公式な体裁を与えます。文字起こしの段階では「機械が聞き間違えたもの」ですが、要約に載った瞬間「会議で決まったこと」に見えます。

これが議事録AIの最大のリスクだと私は考えています。要約が便利であるほど、原文を読み返さなくなるからです。


結果4|録音中の画面を見て、製品を判断してはいけない

Notta の2回目、録音している最中の画面はこうでした。

Nottaの録音中の暫定表示。誤りが多い
録音中の表示。「さなげで」「十人目」「諸費全額算」——停止後の再処理でほぼ直った

えーと、お世話になっております。ミヤケです。(中略)さなげで検討した結果(中略)対象は本社の十人目と南森町店の八名です。(中略)諸費全額算の扱いを…

壊滅的です。「社内で」が「さなげで」に、「12名」が「十人目」に、「処遇改善加算」が「諸費全額算」になっています。

ここで判断すれば「Notta は使い物にならない」と書いたでしょう。

録音を停止したあとの確定版を見ると、こうなりました。

箇所録音中確定版
三宅❌ ミヤケ✅ 三宅
社内で❌ さなげで✅ 社内で
12名❌ 十人目✅ 十二名
処遇改善加算❌ 諸費全額算❌ 職務改善加算

ほとんど直りました。Notta は停止後に再処理をかけています。

Notta を評価するときは、必ず録音を止めてから確定版を見てください。

録音中の表示で「精度が低い」と書いているレビューは、測り方を間違えています。


結果5|同じ音声でも、出力は毎回変わる

ここまで読んでお気づきかもしれません。2回測ると、毎回違う結果が出ました。

項目挙動
人名の漢字ほぼ必ず崩れる(6回中5回誤り)
敬語・句読点・言い回し実行ごとに揺れる
「店」などの短い語揺れる(Notta は1回目だけ脱字)
専門用語ほぼ安定(6回中5回正解)。ただし崩れると最も危険
数字・日付の書式製品ごとに一貫

Typeless は1回目に「お見積書」と敬語を補い、2回目は補いませんでした。「AI整形は敬語を足す性格」と書きかけましたが、足すこともあれば足さないこともある、が正確です。

理由ははっきりしています。これらの製品は整形にAIを使っています。AIは非決定的です。

だから、1回試して比較した記事の結論は、原理的に再現しません。

世に出ている音声入力の比較記事は、私が見た限りほぼすべてが1回の試用に基づいています。私自身、この記事を書く過程で3回、結論をひっくり返しました。1回でやめていたら、間違った結論に自信を持って到達していたはずです。


速度:はっきりトレードオフでした

製品待ち時間の体感
Aqua Voiceすぐ出る
Typeless少し待つ
Notta時間がかかる
精度 高
  ↑
  │   ● Typeless
  │     少し待つ / 崩れが最も少ない
  │
  │              ● Aqua Voice
  │                すぐ出る / 敬語と語彙が揺れる
  │
  │  ● Notta
  │    遅い / ただし土俵が違う
  └──────────────────────────→ 速度 速い

Aqua Voice と Typeless の差は「優劣」ではなく「交換」です。すぐ出る代わりに揺れる。少し待つ代わりに崩れにくい。

Notta が左下にあるのは、劣っているからではありません。会議を記録する製品を、メール返信の速度で評価するのはフェアではないからです。


Notta にしかできないこと

公平に書きます。以下は Typeless にも Aqua Voice にも原理的に存在しません。

機能意味
音声が残る★「言った言わない」を後から検証できる
タイムスタンプから音声に戻れる該当箇所を秒単位で聞き直せる
構造化された自動要約「決定事項/確認事項/アクション項目」を自動生成
アクション項目がチェックボックスそのままタスクになる
マインドマップ会議の構造把握

78秒しゃべっただけで、実行可能なアクション項目まで出てきます。音声入力ツールには絶対にできないことです。

会議の記録が目的なら、迷わず Notta です。

⚠️ Nottaを契約するときの注意

PCのWeb版から申し込んでください。スマートフォンやアプリからの申込は、

有料プランの対象外になる場合があります。対象はプレミアムプラン/ビジネスプランです。

→ Notta 公式サイト(無料プランは月120分・1回3分まで)<img border=”0″ width=”1″ height=”1″ src=”https://www11.a8.net/0.gif?a8mat=4BC5IQ+51L8AA+5988+5ZEMQ” alt=””>


料金と無料枠

ここに、実用上いちばん効く差がありました。

製品無料枠
Typeless8,000語/週(毎週リセット)
Notta120分/月。ただし1回あたり3分まで
Aqua Voice1,000語(※月次リセットの明記なし)

Typeless の無料枠が突出しています。

正直に書きますが、私自身、いまも無料プランで使っています。PC入力を実測したところ週あたり数千文字程度で、8,000語/週には収まっています。日常のメールとチャットが中心なら、多くの方は無料で足りるはずです。

→ Typeless 公式サイト(無料プランのまま使い続けられます)

Notta の「1回3分まで」は、会議の記録という本来の用途にはかなり厳しい制限です。

有料プラン

製品月払い年払い(実質月額)
Typeless Pro$30$12
Aqua Voice Pro$10$8
Notta プレミアム¥1,980¥1,185

⚠️ Typeless は月払いと年払いの差が異常です。$30 → $12、約60%引き。

年払い前提の価格設計になっており、月払いで契約すると明確に損をします。

Aqua Voice は $10 → $8 で、差はわずかです。

公式サイトはこういう言い方をしません。課金するなら年払い一択です。


あなたはどれを選ぶべきか

あなたの状況推奨理由
社外メールを音声で書きたいTypeless崩れが最も少なく、そのまま送れる
速度が最優先。社内チャット中心Aqua Voice待ち時間がほぼない
会議の記録を残したいNotta音声が残り、要約とタスクが出る
月に数万字も書かないTypeless の無料プラン8,000語/週で足りる
人名を含む文書を送るどれを使っても目視確認6回中1回しか正解しなかった

選んではいけない使い方

  • ❌ 議事録・議事要旨・契約文言に、AI整形型(Typeless / Aqua Voice)を使う → 敬語を補い、数字の書式を変えます。原文を一字一句残す必要がある用途には向きません
  • ❌ 人名を含むメールを、確認せずに送る
  • ❌ 長い会議を Notta の無料プランで録る(1回3分まで)
  • ❌ 要約だけ読んで、文字起こしを読み返さない → 誤変換がそのまま決定事項になります

試すときは、1つずつ

これは実際に起きたことです。

Aqua Voice をインストールしたら、Typeless が反応しなくなりました。

Aqua Voiceの設定画面。ショートカットにRight Altが割り当てられている
Aqua Voiceの設定画面。起動キーが Right Alt になっている
ツール既定の起動キー
Aqua VoiceRight Alt
Typeless右Alt(Windows版で推奨される割り当て)

同じキーを2つのアプリが奪い合い、後から常駐したほうが勝ちます。故障ではありません。

対処は2つです。

  1. どちらかの起動キーを変える(Aqua Voice は設定画面の「ショートカット」から変更可能。右Ctrl などが無難です)
  2. 試すときは前のツールを終了する

乗り換えを検討して2つ入れた瞬間に踏む地雷なので、先にお伝えしておきます。


この記事の限界を、正直に書きます

  • 測定は1原稿・各2回のみ。傾向は見えましたが、統計的な精度はありません
  • Typeless だけ3ヶ月の使用履歴があります。他2製品は初回利用です。人名の変換はこの差の影響を受けている可能性があります
  • Notta は「標準エンジン」で測定しました。エンジンは選択式で、上位エンジンなら結果が変わる可能性があります
  • 私は Typeless から継続報酬を受け取っています。しかも他2製品より条件が良い契約です

最後の点について、金額の構造まで書きます。

製品当サイトの報酬
Typeless月額の25% × 12ヶ月(継続)
Notta新規有料プラン契約の30%(1回のみ・確定率75.74%)
Aqua Voiceなし(正式なアフィリエイトを確認できず)

Aqua Voice を紹介しても、当サイトには1円も入りません。それでも「速度が最優先なら Aqua Voice」と書いています。

伏せておけば、もっと有利な記事が書けました。書いた理由は単純で、伏せた記事は結局バレるからです。


まとめ

  1. AI音声入力は非決定的です。同じ音声・同じマイク・同じ設定でも、出力は毎回変わります
  2. 危険なのは壊れた日本語ではなく、もっともらしい別の情報です。「職務改善加算」は誰も気づけません
  3. 議事録AIは誤りを訂正せず、決定事項に格上げします
  4. 人名は諦めて目視確認してください。6回中1回しか正解しませんでした
  5. 録音中の画面で製品を評価しないでください
  6. 課金するなら年払い。Typeless は月払いだと約2.5倍です

実際に試してみたい方へ:Typeless は無料プランのまま使えます。会議の記録が目的なら Notta。Aqua Voice は、当サイトに報酬が発生しないため公式サイト名のみ記載します(withaqua.com で検索してください)。


関連記事:Typelessを3ヶ月使った経営者の記録|仕事の文章はすべてこれ。使わないのは友人へのLINEだけ

この記事で「実測233文字/分」という数字を出しました。今回、原稿を読み上げたときの速度は約300文字/分でした。読み上げは速く、考えながら話すと遅い。233文字/分のほうが、実務での本当の速度ということになります。


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この記事を書いた人

関西で従業員80名の会社を経営しています。業種の異なる複数の事業を運営。自社で実際に契約して使ったツールだけを、失敗も含めて記録しています。※ペンネームで運営しています。

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